遺産分割協議の注意点と手続き

相続人による遺産分割協議の重要な手順

専門家や裁判所の手続きに頼らずに、相続人のみで遺産分割協議をやる場合、いくつか気を付けなければならないことがあります。

 

そしてなによりも重要なのは、遺産分割協議の手順を間違えないことです。この手順を間違えてしまうと、せっかく協議した内容がすべて水の泡になってしまいかねません。

 

今回は、相続人のみでする遺産分割協議のやり方についてご説明します。

 

必ず戸籍による相続人調査を行うこと

相続人同士の場合、勝手に相続人が誰かを決めつけてしまいがちです。しかし、現実には過去に被相続人の隠し子がいたりといったこともありますので、必ず戸籍による相続人調査を行うようにしましょう。

 

遺産分割協議というのは、相続人が全員参加してこそ法的効力を有するものとなります。1人でも相続人が参加していないとなれば、その遺産分割協議は無効となってしまいますので、協議に入る前に相続人が誰になるのか?を確定させてから行うようにしましょう。

○参考ページへリンク
 被相続人の生前の戸籍を全て取得して、相続人を確定します。遺産分割協議では、必ず相続人全員の参加が必要です。
 →遺産分割・相続手続きのための戸籍調査

 

遺産分割協議のメインは対等な話し合い

遺産分割協議はなんといっても相続人同士の話し合いで成り立っています。
ただし、そこに年齢差や親族間による上下関係や力関係は存在していません。同じ相続人である以上、すべての相続人は対等に発言することができ、自身の意思を主張することが可能となっています。

 

なお、一度でも確定してしまった遺産分割協議をやり直すことは非常に困難となっているため、特定の相続人の先導によって無理やり遺産分割を確定されてしまうことがないようにしましょう。

○参考ページへリンク
 基本的に遺産分割協議はやり直しができません。新たに協議をすることになると、その結果の財産の移動で譲渡税や贈与税がかかってしまいます。
 →遺産分割後のやり直しや問題が発覚したら

困ったときは必ず専門家に相談を

相続人のみで遺産分割協議をすることは、上記の点さえ気を付けていれば可能です。

 

ただし、相続人調査といっても、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて取り寄せなければなりませんし、対等な話し合いといっても実際にはなかなか難しいこともあります。そこで、どうしても困ったときは必ず専門家に相談するようにしましょう。

 

専門家であれば相続人調査はすべて職権にて行うことが可能となっていますし、自身だけが不利益を被るような、一方的な遺産分割協議を確定されてしまう心配も一切ありません。

 

相続というのは、そう何度も経験する手続きではないため、失敗をしないためにも専門家に力を借りるというのはとても良い選択肢であると言えます。