専門知識を活用した遺産分割 調停や審判

遺産分割の明確な分割方法はあるのか

遺産分割には明確な分割方法が決められているわけではありません。

 

というのも、遺産分割というのは金額や財産の性質(プラスやマイナスなど)、または相続関係なども様々であるため、それをいちいち法律で細かく指定することができないのです。
よって、原則としては被相続人による遺言書による遺産分割、それがなければ相続人同士の話し合いによる遺産分割をするしかありません。ただし、遺産分割には相続人それぞれの利益が深く関わってくるため、解決へと至らないことが多々あります。

 

こういった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか?

 

専門家に遺産分割を依頼するという方法

なぜ遺産分割で相続人同士が揉めてしまうのか?その理由としては、もちろん私欲といったものもありますが、第一は専門知識のなさです。

 

いくら遺産分割について細かい法律の指定がないからといって、ある程度は指針になるべきものは定められています。それが法定相続分です。

 

しかし、法定相続分について正しい知識を持っている一般の方は稀です。

 

こちらを正しく理解していれば、相続人同士の話し合いもスムーズに進む可能性は十分にあると言えるでしょう。そこで、専門家に遺産分割を依頼することによって、専門知識を相続人同士で共有することが可能となり、揉めることなく遺産分割が成立すると言えるでしょう。

 

遺産分割調停を利用するという方法

次に、遺産分割調停というのは、わかりやすく言えば相続人同士の話し合いを裁判所にまで発展させた手続きです。

 

こちらの方法も言ってしまえば専門知識の補充といった意味合いがあります。

 

というのも、家庭裁判所での調停手続きには調停委員といって、その問題解決に長けた知識を持っている方が話し合いを取り持つことになっています。つまり、相続人同士の話し合いでは決して至らなかった提案や発想をしてもらうことが可能となっているのです。

○参考ページへリンク
 遺産分割調停は、不成立になった場合、審判の手続きに移行します。
 →遺産分割の調停・審判の手続き

 

最終的には審判にて決定が出されることも

遺産分割調停でも解決しなかった場合、調停手続きは不成立として処理されることになります。

 

しかし、遺産分割の場合、そのまま審判手続きへと移行することがほとんどです。審判手続きというのは、裁判所の裁判官が自らの判断によって強制的に決定を出すことを言います。

 

今までなかなか解決へと至らなかった遺産分割協議は、裁判官がもっとも良いと判断する分割内容にて決定が出されることになります。この審判決定には不服申し立てをすることも可能とされていますが、そうなった場合は、裁判にて解決をする他、方法がなくなってしまいます。

 

裁判となれば今までのような話し合いではなく、まさに争いとなってしまいますので、相続人同士で裁判をするというのはあまりおすすめできる解決方法ではありません。可能な限り話し合いにて解決するようにしましょう。