配偶者が死亡後の遺産分割中の再婚では相続権を失わない
被相続人が死亡後、まだ遺産分割が終了していない段階で配偶者が再婚をした場合、配偶者としての相続権はどうなるのでしょうか?
その答えは、「相続権は変わらない」です。
よく、他の相続人から、「再婚したのだから相続権はなくなるに決まっている」と言われ、相続を諦めてしまう方がいますが、配偶者が死亡後の再婚で相続権を失うことはありません。重要なのは、被相続人が死亡時、婚姻関係があったかどうかになります。
相続は開始した時点で発生している
相続において非常に勘違いしやすい点ですが、相続というのは被相続人が死亡した瞬間にすでに発生しているのです。つまり、相続財産というのは、被相続人の死亡をきっかけに、相続人それぞれが相続し、共同所有していることになります。
もちろん、遺言書が見つかった場合は、この限りではありませんが、原則、相続は開始した時点ですでに発生していることを覚えておきましょう。
こうした理由から、たとえ被相続人の死亡後に再婚をしたからといって、配偶者の相続権に影響を与えるようなことはないのです。
被相続人死亡後は相続権に影響はない
上記は言い換えれば、いったん相続が開始されてしまえば、その後に配偶者がどんな行動をしようとも、相続権に影響を与えるようなことはないということです。
たとえ、遺産分割協議がなかなか進まずに何年も経過してしまおうが、その間に再婚があったとしてもなかったとしても、配偶者はそのまま変わらずに、配偶者としての相続権を持っていることになります。
遺産分割協議は弁護士に依頼する方法も
ただし、再婚をしたということは、被相続人との関係でいえば、元配偶者の立場となってしまいます。ということは、他の相続人との関係が気まずくなってしまってもおかしなことではありませんし、煙たがられることもあるかもしれません。
よって、遺産分割協議へ参加しにくい・意見を伝えることができない、といった問題が生じる可能性は十分にあります。
このような場合は、弁護士に代理人となってもらう方法をおすすめします。
弁護士であれば、本人の代わりに遺産分割協議に参加することが可能ですし、他の相続人の画策によって、自身に不利な条件で分割がなされてしまう危険もありません。
自らが参加したのでは、つい尻込みしてしまったり、強引に決められてしまったりと、不利益が生じてしまう危険性がありますが、弁護士に代理人として遺産分割の場に立ってもらえば、不利益が生じることのないよう、しっかりと立ち振る舞ってもらえるでしょう。
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