相続開始地により裁判所も決まる

相続開始地とは?相続開始の場所

相続というのは、「被相続人が亡くなった際の住所地において開始する」、と民法によって定められています。この被相続人の最後の住所地を「相続開始地」といい、今後は、この相続開始地が相続に関するさまざまな手続きの拠点になるといっても過言ではありません。

 

被相続人の最後の住所地について

通常であれば、住民票上の住所が被相続人の最後の住所となりますが、実際には住民票の住所地に住んでいないということもあるため、そういった場合は、実際に住んでいた住所地が、被相続人の最後の住所地、つまり相続開始地となります。

 

また、かなりレアなケースですが、まったくもって現在の居住地がわからない(ホームレスであるなど)といった場合には、一応の住民票が登録されている住所、それもないようであれば、被相続人が亡くなった地、所縁があると思われる地などが相続開始地とされることもあります。

 

こちらに関しては、家庭裁判所の判断が必要となりますので、どうしても相続開始地がわからない場合は家庭裁判所や、専門家に相談をするようにしましょう。

 

相続開始地によって管轄裁判所が決まる

被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所が、その後の相続の手続きを申し立てる裁判所となります。たとえば、遺言の検認、相続放棄、遺産分割調停といったものは、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行いますので、相続開始地というのは非常に重要です。

また、裁判上の手続きだけでなく、税務上の手続きにおいても、相続開始地を管轄する税務署が担当をすることになります。この担当税務署が被相続人の準確定申告や、相続税申告を提出する窓口となりますので、よく覚えておくようにしましょう。

 

○参考ページへリンク
 相続税は相続開始から10か月以内です。相続開始地の管轄する税務署を窓口として忘れずに納税しましょう。
 →遺産分割の期限と相続税の申告

 

相続開始地の専門家に相談しよう

専門家への相談を検討しているのであれば、相続開始地の周辺に事務所をかまえている専門家に相談をしたほうが良いといえます。というのも、あまり遠方の事務所に依頼をしてしまうと、裁判上の手続きとなった際、専門家の出張費用までを負担することになってしまうのです。

 

こうした必要のない経費がかかってしまうことも想定されるため、専門家への相談については、相続開始地に近い事務所にいる専門家のもとを訪ねるようにしましょう。