死亡と相続の要点

死亡と相続開始の関係

死亡と相続には深い関わり合いがあります。
人は死亡によって、人としての権利や義務が無くなるため、当然ながら財産を保持することもできなくなります。
これが理由となり、死亡者の財産は相続されることになっているのです。稀に、不動産の登記簿上の所有者が死亡者のままになっていることがありますが、これは単に名義変更手続きがされていないだけであって、本来の所有者は死亡者の相続人となっていますので、勘違いしないようにしましょう。

 

死亡=相続開始

人が死亡すると、その瞬間から相続が開始されることになります。

 

実際に財産が手元に渡ったときに相続が開始しているわけではありません。

 

ただし、この時点では遺産分割が終了していないため、個別に所有者が確定しているわけではありません。
すべての相続財産(死亡者が所持していた財産)は、相続人全員の共有物となっています。実際に財産が手元に渡るには、遺産分割協議が必要になってしまう場合もあるのです。

 

死亡は認定されなければならない

また、死亡は公的に認定されなければなりません。

 

現在、多くの方は病院にて死を迎えることが多いといえます。
病院での死亡の場合は、医師の作成する「死亡診断書」によって、死亡が認定されます。
病院での死亡でなかった場合は、警察に連れられ現場に立ち会った(検安した)医師が作成する、「死体検案書」によっても死亡が認定されることになっています。

 

この2つが人の死亡における原則であることを覚えておきましょう。

その他の要点

なお、身内の死亡が認められた際は、その日から7日以内に死亡届の提出をしなければならないことも覚えておきましょう。
死亡届を出さないことには、埋葬許可が出ませんので葬儀を進めることもできません。(詳しくは、「ご家族が亡くなった時に最初に行う手続き。死亡届けの提出」)

 

その他にも、死亡には「失踪宣告」と呼ばれるものもあります。

 

失踪宣告は、対象となった人物が7年以上、生死不明であった場合などに、家庭裁判所にて失踪宣告の手続きを取ることによって、死亡とみなされる(認定される)といった手続きのことをいいます。(詳しくは、「失踪宣告・死亡が確認できない場合の相続」)

○参考ページへリンク
 死亡の推定は、通常7年以上の生死不明、もしくは災害などの際に申し立てをすることで発生します。
 →行方不明者の失踪宣告と相続