貸宅地(人に貸している土地)底地(家の下にある土地)の価値と借地権

どうして貸宅地(人に貸している土地) は低評価?

人に貸している土地の値段というのは、基本的に低く評価されることになっています。
さらに、その土地に家が建っているともなれば、底地(家の下にある土地は底地という)の価値はさらに低くなります。

 

最も評価が高い土地というのは、何もない土地、つまり「更地」です。買い手が自由に建物を建てることができますし、売りにも出しやすいため、更地が最も高い評価を得ることになっています。

 

上記を前提として、今回は、人に貸している土地の値段の評価について見ていきましょう。

 

借地権について理解する

まずは、借地権ついて正しく理解しましょう。

 

被相続人が自身の土地を誰かに貸していた場合、借りている人のことを「借地人」といいます。この借地人が持つ土地の権利を「借地権」といいます。
借地権には、普通借地権定期借地権があり、土地の値段の評価に深く関わってきます。
というのも、借地権割合といって、更地の値段に対して60〜70%(地域により誤差あり)程度が借地権の価値になっているのです。

 

わかりやすくいえば、底地のそもそもの所有者が持つ権利(底地権といいます)は、借地権割合の分だけ低く評価されてしまうということです。

 

その代わりに賃料を得ているため、厳密に言えば損をしているわけではありませんが、土地の値段の算定式としては、「貸している土地の値段(普通借地権の場合)=更地の値段×(1−借地権割合(60〜70%)」となっています。

 

定期借地権の場合は期間経過による

上記は、普通借地権の場合ですが、定期借地権の場合は、期間経過によって底地権の評価が高くなることになります。

 

というのも、定期借地権は契約時に定められた期間を満了すれば、借地人は必ずその土地を底地権者に明け渡さなければならないため、普通借地権ほど強い権利はなく、権利自体の値段も低くなっています。
つまり、借地権割合が低いということです。

 

契約時だけ見れば、普通借地権と同様の価値があるといえますが、いずれは明け渡さなければならない土地であるため、期間の経過によって価値が少しずつ下がっていきます。そして、最終的に明け渡しとなれば、土地の値段が更地の値段そのままの評価になるというわけです。

 

これでは普通借地権に比べ、定期借地権の方が不利なようにも見えますが、実際にはそんなこともありません。定期借地権の場合、契約満了によって借地権自体が消滅することになるため、立退き料といったものが一切かからないことになっています。