商店や農業の相続の方法

商店や農業などの家業の相続

 

商店や農業といった家業の相続というのは、相続人同士の関係性によってはなかなかうまくいかないことが多いものです。というのも、商店や農業は、いってしまえば1つの企業であることと変わらないため、あまり細分化して相続をしてしまうと機能しなくなってしまうこともあるのです。

 

よって、可能であれば、家業を継ぐという意味で1人の相続人が商店や農業を相続したほうが良い場合が非常に多く、そうなると、他の相続人の相続分に影響が出てきてしまい、納得できない他の相続人が発端となりトラブルへとつながってしまうというわけです。

 

農業を相続する場合は?

農業は農地にて行うものです。昨今では農地も高額な財産となっていることがほとんどなので、たとえ家業である農家を継ぐ気がなくても、財産価値を求めて相続分を望む相続人が多くいると言えます。
また、農家だからといって遺産分割に例外規定があるわけもありません。

 

しかし、農業基本法には農地の細分化を防止する規定があります。よって、農地の相続により持ち分が細分化してしまうのを嫌う傾向があり、これは家庭裁判所の判断にも影響を与えています。
そこで、他の相続人を納得させるという意味でも、代償分割といった方法にて、相続分の補てんを試みる方法がもっとも良いと言えるでしょう。

 

また、農地については鑑定額も低く出されることが多く、金銭による代償であっても、そこまで高額になることはほとんどありません。

 

商店を相続する場合は?

商店というのも、農家と本質は変わらず1つの企業であると言えます。しかし、上記のような農業ほどの社会的な保護はありませんので、相続人同士の話し合いで解決させる必要があります。

 

商店を継承することの重要性を他の相続人によく理解してもらい、相続分をあまり細分化しないで済むように、代償分割といった方法などで話し合いをしていきましょう。

 

しかし、そもそもの地価が低額で代償金が少ない場合、納得しない相続人が出てくることも多く、争いへと発展してしまうこともめずらしくはありません。
そこで、どうしても相続人同士の話し合いだけでは解決の見込みがない場合は、専門家に相談をするようにしてください。

 

仮にそのまま裁判にまで発展してしまったとしても、専門家は訴訟のプロ中のプロなので、安心して任せることができると言えます。

○参考ページへリンク
 同族会社などの事業承継の場合は株式の集中の必要もあります。
 →家業を継ぐ際の事業承継相続の方法